普段テレビを見る時は、好きな番組を録画しておいて時間がある時にゆっくり見るので、リアルタイムでさまざまな番組を見ることはあまりありません。
それに加え我が家では新聞をとっておらず(ニュースはネット配信を利用と夕方のニュースで)、「テレビ番組表」を見ることがないので固定の番組以外の情報が入ってこないのです。
しかしその日は偶然目にした「アフロヘアの元新聞記者は、月々の電気代200円!?」という番組紹介に興味を惹かれて録画の予約をしておきました。
ピンと来た通り、紹介されていた稲垣えみ子さんはとても魅力的な女性で、実際に真似は出来ないだろうけれど、多くの人が思っていてもできなかったことをされていて、とても惹きつけられました。
「節約女子」でくくってしまうのはもったいない
稲垣えみ子さんは、昨年まで朝日新聞で論説委員や編集委員を歴任してきたそうなのですが、思うことがあって退社。その「思うこと」とは5年前の地震でした。
あの地震をきっかけに、人はどれだけ電気を使わずに生活できるのかを模索してきたのだとか。退社を機にそれまで住んでいたマンションから、築45年のワンルームマンションに引っ越し。
契約アンペアを変え、ひと月の電気代が200円を記録。台所(キッチンというより台所というのがピッタリ)にはカセットコンロが一つ。
そう、稲垣さんはなんとガスの契約もしていないのだそう!
だから二日に一回は近くの銭湯に通っているとのことですが、思いがけずそれが生活の中での楽しみの一つになったのだとか。
稲垣さんはこれまでも何度かテレビやラジオに出演されていることもあり、多分初めて知った私よりも詳しく知っていらっしゃる方が多いと思います。
番組内で稲垣さんは、「電気を使うことを否定していない」とおっしゃっていました。
全部を否定するのではなく、良い部分は理解しているという柔軟な考え方でした。
節約という観点からではなく、「冒険している」という考え方。これは・・・目からウロコが落ちる感覚でした。
そして一番印象的だったのが、この言葉でした。
得ること・拡大することばかりを考えて生きてきました。
でも平均寿命の半分を過ぎたころから、
来るべき死に向かい、閉じていくこと、
手放すことを身につけなければ、と思うようになりました。
大変なギアチェンジです。(2015.9.10 朝日新聞「ザ・コラム」)
電気を極力使わない生活をしているので、どうしても気になるのは冬場の暖房ですよね。それもレポーターの方が質問していました。それによると・・・
「私の経験上、寒さをしのぐ極意は・・・
部屋は暖めるな 自分を温めろ!」
とおっしゃっていました(^-^)
足の裏にカイロを貼ったり湯たんぽを利用し、なおかつ「それなりに厚着をする」のだとか。
おぉ、湯たんぽ!
うちも地震の際の停電の時には湯たんぽが大活躍でした。暗闇の中、お湯の暖かさというのは本当に心が落ち着きました。
それから冷えとり的に注目したのは、稲垣さんのファッションです。
とにかくおしゃれ!「厚着をする」とおっしゃっていたけれど、細い体にそんなに服を着こんでいるようには見えません。
自転車で移動していたり明け方にヨガをしている映像もあったので、ほどよくしなやかな筋肉がついていて、寒さにも耐性があるのかもしれませんね。
この写真を見ると、足元には分厚いカバーソックスが。冷えとりをしているのではなく、ただ単に寒いからだと思われますが、厚着をするということは冬の基本なのでしょう。
公園で仕事をされている時にちらりと映ったタイツですが、この毛玉の具合はまさにウールのタイツかと(笑)
そう考えると冷えとりでやっていることは、電気に極力頼らない生活とさほど遠くはないような気がしてきますね。
「節電女子」とか「月の電気代が200円」とか、どうしてもそればかりが悪目立ちしてしまいますが(それとアフロヘアとかw)、それが稲垣さんの全てでは決してないということです。
それは稲垣さんの人生の中では数ある冒険の中の一つに過ぎません。
「閉じていくこと・手放すことを身につける」。
良い言葉に出会えました。私に全部は真似は出来ないけれど、自分にできることから自分なりの「冒険」を始めて行こうと思います。