先日本屋に立ち寄った時のこと。
昔から健康に関する本のコーナーが好きで、何を見るつもりはなくてもフラリと健康コーナーの棚の前に立ってしまいます。あとは料理の本とか暮らしに関する本が大好き。
その日も好きなコーナーを順番に見て回り、最後に見た健康本のコーナーで、ふっと心の何かに触れるタイトルの本を目にしました。
それは「敏感すぎて生きづらい人の 明日からラクになれる本」というもの。
この手の本はあまり信用していないというか、以前は好きだった啓発本が今ではあまり心に響かなくなっていたので、これもそのたぐいの本だと思いました。
でも手に取って中身をパラパラを読んでみて、「雷に打たれた」という表現がピッタリというか、あまりにも自分が普段思っていることが書かれていて衝撃的でした。
そして、自分がこれまで生きづらいと感じ、それは自分が悪いからだと感じていたことが「そうではないんだよ」と言われたことで、もやもやとしたものが晴れていくのと同時に、救いを見つけたような気持になったのです。
HSPってなに?
この本には、「HSP」という言葉が頻繁に出てきます。初めて聞くような、アルファベットのこういう表記は苦手というか。
HSPとは、ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly sensitive person)の略で、 さまざまな刺激に過剰に反応してしまう「高度な感覚処理感受性」と呼ばれる気質および 、そうした気質を先天的に有する人を言う言葉だそう。
例えば、こんなことはないでしょうか?
☑人の感情にすぐ左右される
☑気にしすぎとかネガティブとよく言われる
☑人込みが超苦手
☑上司など誰かの攻撃を受けやすい
☑たわいない会話や大人数の宴会は苦手
☑自分はダメだと責めてしまう
☑音や匂い・電磁波などが気になって仕方がない
☑食事に敏感
☑寝つきが悪い
などなど。私は電磁波以外はどれも当てはまります。これは、5人に1人いるとされているHSP(とても敏感な人)気質だからかもしれないのだそうです。
ずっと生きづらいと感じていた
子供のころは今とは全く違い、ポジティブで明るい性格だったのですが、いつの頃からかその性格はなりを潜めてきました。
別に何かあったというのではなく、思春期になっていろいろ考えることがあったのだと思います。酸いも甘いも噛み分ける・・・ではありませんが、見えてきたものがあったのでしょう。
ただ、この頃はHSP気質ではありませんでした。じゃぁいつ頃から生きづらく感じるようになったんだろう?と振り返ってみると、出産後からではないかなと思うのです。
出産後というか、子供が幼稚園に入ってからでしょうか。これまでは自分の付き合いの中で生きてきたのが、当然のことながら子供の世界の付き合いの中で生きていくことになります。
幼稚園のお付き合いというのは私にとってはとても苦痛で、ボスママにびくびくし、子供に危害が加わったらどうしようと不安になり。
HSPの気質が芽生えてきたのはこの頃のように思います。ただ、HSPが人生の途中から芽生えるものなのかというのは疑問です。「持って生まれた気質」であるならば、もっと早くそういう性格が出たのでは?とも思うし。
一番苦しいのは「人の感情に左右される」こと。
その場に強い負の感情を持っている人がいると、そういう空気をなぜか察知してしまい不安になったり怖くなったり。
それだけならまだしも、そういう強い人に感情を支配されてしまうため、私までイライラしたり強い気持ちになってしまい、家に帰ってくるとどっと疲れてしまうのです。
だから人混みも苦手。
そういう感情を持った人がたくさんいるから、それらの気をすべて受けてしまい、寝込んでしまうほど消耗してしまうのです。
今思い出しましたが、子供が幼稚園の頃は行事や保護者会があった次の日は、絶対に用事を入れないようにしていました。
そういう翌日は必ずダウンしてしまうのが自分でもわかってきていたからです。
今でも予定は続けて入れないようにしていますが、ママ友付き合いから離れた今は、あの頃ほどではなくなっています。
まわりを考えない、自分の主張を強くもち、感情をまき散らすような人は強いので、そういう人によく「あなたはそれだからダメなんだ」と言われてきました。
そして感情をコントロールされてしまっているので、「あぁそうか、私はダメな人間なんだ」と素直に受け取ってしまいます。
まぁもちろんダメ人間ではあるのですが、他人からお墨付き(?)をもらったことで、私はますます自分のダメ人間さを肯定していくことになります。
こうして、私はこの本に出会うまで長い間、「ダメな人間」だと思い込んできました。
と同時に、「世の中はなんでこんなに生きづらいんだろう。どうして私はこんなに面倒くさい人間なんだろう」と思い続けてきたのです。
生きづらい・疲れる・敏感すぎる自分への対処法
ではHSP気質である人はどうしたらいいのでしょうか?
この本には少しですがその対処法も書かれています。しかし、それを実行したからと言ってHSP気質が治るものではないと思います。
ただ私にとっては 自分の生きづらさはHSPという気質のせいだったんだ
と知っただけで、気持ちが大きく変化しました。
例えば、これまで人と話をしていて、「この人は私を嫌いだろうな」「私は好かれていないだろうな」と思っていたことも、「それならそれでいいじゃない」とか、「いつもの気にし過ぎだから大丈夫」と思えるようになったのです。
これは私にとっては大きな大きな変化です。相手の気を読んでしまう・相手の気配やムードを鋭く読み取ってしまう結果、自分をダメ人間のように感じていたことも、すべて「気のせい」で済ませることで、自分にダメ出しをしないで済むようになりました。
多分、そういう人は多いのではないかなと思います。まずは自分の生きづらさがHSPという気質であるということを知ることが大切なのだと思います。
HSP気質は私の最大のメリット
そしてHSP気質は悪いことばかりのように感じますが、そうではなく見方を変えるとその人の最大の魅力であるということもわかります。
例えば、空気を敏感に察知できるということは、相手への気配りができるということ。
私はよく、「気が利くね」と言われることがあるのですが、これはまさにHSP気質がなせるわざなのでしょう。自分ではこれまで全く気付きませんでしたが、空気を察知できるからこそ、場の先読みが出来るのです。
一見デメリットと思えることでも、視点を変えればそれはその人の個性に早変わり。もしかしたら私はすでに、「あの人は気が利くから」という個性の評価をもらっているかも!?
HSPという存在を知れて本当に良かった
今回、HSPという気質があるということを知ることができて本当に良かったです。知ると知らないでは生きづらさが全く違いました。
またHSPというと何か特殊な病気のようなイメージがありますが、そういうものではなくあくまでも気質の問題のようです。
私が知らなかっただけでHSPに関する本がたくさん出ていました。
これは買って読みましたが、正直あまりピンとくるものはなかったかな(^_^;)
こちらはレビューでも評判が良いので今度読んでみようと思っています。
でもやっぱり、初めてHSPという言葉を知って衝撃を受けたこちらの本が私的にはおススメかな。
あまりにもこの本の通り過ぎて本当に驚きでした。「私の取扱説明書です」と言って配りたいくらい(笑)
今回、この本に出会えてラッキーでした。もし出会わなければ私はこの先もずっと自分を責め続けていくところでした。そして「どうして世の中はこんなに生きづらいんだろう・・・」と嘆き続けていくところでした。
もしこの記事に共感する部分があった方にはぜひ一度本を読んでもらいたいです。きっと肩から力がスーッと抜けていくのを感じるはずですよ(^-^)